株式公開(IPO)を行なうことで、どのようなメリットとデメリットが生まれるかを見てみましょう。
株式公開(IPO)のメリット
- 1.創業者利潤の実現
- 株式公開(IPO)時に売出を行なうことで、投下資本の一部を回収し、オーナーの利潤を実現します。
- 2.株式の流通性の拡大
- 株式の流通性が高まり、公正かつ適正な株価が成立するとともに、株主が株券を現金化できるようになることで、資金調達手段が多様化します。
- 3.株式の公正な価格形成と資産価値の増大
- 株式が証券市場で流通し、公正な株価が形成されることによって、企業の業績に応じて、株式の資産価値が増大することが期待できます。
- 4.長期安定資金の調達と財務体質の強化
- 株式公開(IPO)によって低コストで長期的に安定した資金調達が可能になり、財務体質を強化することが可能になります。
- 5.会社の知名度の向上及び社会的信用力の増大
- 株式上場の基準を満たした優良企業としてのイメージが高まることで、取引先を含めた社会的信用が高まり、ビジネスチャンスが増大します。
- 6.人材の確保とモラルの高揚
- 経営の透明性が求められる上場企業として、株価という目に見える形で市場に判断されるため、それぞれが株式公開(IPO)会社の役員・従業員であるという自覚を持ち、モラルが高まります。
また、得られた信用の結果は優秀な人材の獲得という形でも現れます。 - 7.経営管理能力の強化
- 透明性が高く合理化された、社内体制を構築する過程で社内の管理化が進み、組織的で機能性に富んだ経営管理体制が得られます。
- 8.従業員持株会制度の導入による福利厚生の充実
- 従業員持株会制度によって、企業の業績と直結した従業員の財産が形成され、福利厚生が充実し、従業員の意識も向上します。
- 9.インセンティブ・プランによる人材の確保と会社業績の向上
- 「部課長へのストック・オプション制度」、「従業員持株制度」といった複数のインセンティブ制度を導入することで、会社として資金負担を負わず、業績の向上や優秀な人材の確保ができます。
- 10.法人税課税の軽減
- 同族会社の場合、株式を公開することで法人税法で規定される非同族会社となり、同族会社に対する留保金課税等などの適応から外れるため、税制上の不利が解消されます。
- 11.事業承継
- 株式公開(IPO)が行なわれた企業は、長期的に成長、利益還元を行なえる企業として市場に認められた企業であり、次世代への事業承継が容易になります。
また、管理体制が強化されることにより後継者の育成もしやすくなり、株式公開(IPO)に向けた財務の見直しによって、継承が行ないやすくなる側面もあります。
株式公開(IPO)のデメリット
- 1.M&Aや株式の投機的取引に対する危険性
- 自由な株式の売買によって、投機的取引の対象となり株価と経営が不安定になる恐れがあります。
また、買占めが起こり、外部者が経営に参加する、M&A、株主からの過大な要求に応えなければならないなどのリスクも存在します。
経営管理や株主総会の対策など、堅実な運営が必要となります。 - 2.株式事務の増大
- 公開により株式の流通性が高まるため、株主の異動が頻繁になり、また、会計監査も必要となるなど、株式事務の負担と、人件費、手数料などが増大します。
株価の安定のためにも人材とコストがかかります。 - 3.企業内容開示義務
- 株式の公開によって、決算発表、有価証券報告書等の提出といった企業内容の開示が必要となり、事務負担が増大します。
- 4.株主総会対策が必要になる
- 近年、いわゆる総会屋等の活動は弱まったものの、アクティビストと呼ばれる市場株価を向上させるべく積極的な行動を取る、ファンドマネージャーなどの株主が増加し、株主総会は民主化の方向に向かっています。
このこと自体には問題はありませんが、企業は株主へのより明確な説明や、経営努力を求められる場合もあります。
また、日本では個人株主を重視し、企業活動をアピールするため、大手を中心に総会でのサービスや特典に重きが置かれる傾向にあり、対策の必要性があります。 - 5.事務量の増大、会計監査等によりコストが増大する
- 株式の売買にともなう株価の変動や、株主の変更などによって、事務量が増加します。
また、旧商法において株式会社では監査役を必ず置かねばならず、株式公開(IPO)によってより透明性の高い収支報告が必要となり、これらのコストが増加します。 - 6.株主代表訴訟等により経営者責任を追及される場合がある
- 近年の株主総会では、不祥事を起こした企業に対し、株主からの糾弾が行なわれる場面が多く見られますが、経営陣に対して解任が求められたり、損害賠償が求められたりするケースも珍しくありません。
株価の下落や、不祥事の際には、経営者責任を追求されるリスクも生じます。 - 7.株価の維持、配当の維持等の圧力がある
- 株式を公開し、広く投資を受ける場合、経営者には株価を維持し、そして高める経営努力が求められます。
アクティビストと呼ばれる積極的行動を取る株主の出現により、これまでよりも厳しい要求が行なわれる場合もあります。 - 8.外部者の経営への参画
- 大口株主企業などから直接的な経営への要求が行なわれたり、役員、あるいは経営者が送り込まれ、経営への参画がなされる場合もあります。 大口株主の有効な経営手腕が発揮される場合もありますが、企業にとっては大きな変革が伴います。
株式公開(IPO)によるメリットとデメリットを理解し、公開に必要な準備と対策を、インキュベクスと一緒に始めましょう。







